医科歯科連携
- 2023年3月31日
- お知らせ
医科歯科連携
1、情報提供書
2、お薬手帳・マイナンバーカード
3、QOLの維持
1、情報提供
歯科治療を行うにあたり医科の先生に情報いただく場合があります。医科と歯科は免許が異なり、治療できる内容、器官、領域が異なります。昔は歯科だけで治療が完結することがほとんどでしたが、患者様の全身状態のことを考えると歯科も全身状態、投薬状況を知り、患者様のQOLを向上させる必要はあります。また、口の中の状態や歯科で施行する処置が医科の分野に影響する場合もあります。また、高齢社会に伴い医科にかかっている有病高齢者の患者様が歯科も受診する機会が増えるようになってきているからでしょう。例えば、糖尿病の患者様は重症度にもよりますが感染しやすくなり、それは口の中も同じです。虫歯や歯周病も基本的には細菌による慢性感染症ですので、感染しやすくなれば歯周病も治療しているのに重症になりやすい、また抜歯した後に傷が治りにくいといった症状が出る場合があります。また、腎臓や肝臓の機能低下のある患者様に鎮痛薬や抗菌薬を投与する場合にはそれら器官の機能低下を防ぐために量を通常のより減少させなければなりません。患者様の不利益にならないためにも歯科が知らなければいけない情報があります。実際には手紙のやり取りを病院、診療所間で郵便により行っています。
2、お薬手帳・マイナンバーカード
現在お薬を処方されている方はお薬手帳を持っていると思います。お薬手帳は重要な情報でどの病院の先生がそのお薬を処方しました、という情報がわかります。また今後導入されるマイナンバーカードの保険証情報も患者様の承諾があればお薬、診断、検査情報がわかるようになります。お薬を調べるとおおよそ病気もわかる仕組みになっています。例えば、血液サラサラ(正確には抗血小板薬、抗凝固薬など)を内服している患者様は血管に血栓、塞栓を起こし易い病気で血管を詰まらせたくない、というような背景があります。その場合にそのお薬を止めると血栓、塞栓を起こす可能性がありますということにもなります。歯科の抜歯の際にはもちろん出血させたくないし、薬を止めた方が手技自体は安全です。しかし、薬を止めたことで脳の血管などが詰まってしまうとさらに大変なことになってしまいます。そのため基本全ての薬は内服を継続して全身状態を安全に保ったまま歯科治療を行なっていくことになります。患者様の体に必要があるので薬は処方されています。あまり効果がないと思ってしまいご自身で考えて増やす、他人の薬を内服する、内科主治医に相談せずに抜歯なので内服を中止する という行為は患者様が非常に危険な状態になることが考えられます。
3、QOLの維持
どのような診療科にかかってもその患者様の生活の質を向上させるという目的は同じだと思います。患者様は虫歯の治療が嫌であったとしてもその治療が終わったら痛みから解放される、美味しく食べることができる というような生活の質の向上があるので歯科治療を我慢して受けるのだと考えています。保険適応でない場合もありますが、口は発音や審美的な要素も大きいですので綺麗な口元、歯を白くして口を開いて笑いたい、いっぱい話をしたい、もQOLの向上には重要だと思います。虫歯や歯周病などの病気の治療もあり、審美的な面の向上もかかりつけ歯科の役割かも知れません。