被せ物自費治療
- 2023年2月2日
- 補綴(被せ物入れ歯)
被せ物自費治療
1、自費治療
2、被せ物臨床所見
3、ブラッシング
1、自費治療
歯科治療の場合には患者様一人に対して保険治療と自費治療が併用される場合があります。保険治療はある疾患があった場合にその疾患の診断を行い、ルールに従い治療が行われます。そのため、なぜここで検査をしなければならないのか、あるいは同じような歯石とりを行なっているのに検査料、月に1回の管理料、診断料が付与され料金が異なりこのような疑問が生じる場合もあります。治療内容、計画もエビデンスを元に組まれていますので疾患が治る、改善していく方向に進むはずと言えます。また、保険治療はそれぞれの患者様の負担割合により支払の金額が変動します。
例えば歯の色の違いなどは病気ではないと考えられているために歯のホワイトニングは自費治療となり、そのすべての費用は患者様ご自身で負担していただくことになります。自費診療の場合はドクターの判断で歯科医学知識に基づき自由に治療できるという利点があります。歯科医師からすると、いろんな材料や新しい機械などを使用して治療ができる。また患者様に合った負担の少ない治療法が自由に選択できるという面もあります。
光学印象(IOS: intra oral scanner、口腔内スキャナー)という機械はレーザーなどで歯の表面をスキャンして歯形を再現します。この機械などは口の中に粘土のようなものを入れなくて済みますし、型を再現する石膏も使わなくて済みます。また嘔吐反射の強い患者さんなどはトレーを口の中に入れることはないので反射があまり出ないと思っています。SDGs、環境と患者様にやさしい非常に優れた機械と考えられます。
基本的には保険治療の内容を基礎として、材料や器具の使用方法などを選択する際に自由診療を行なっていると考えることができます。
2、被せ物臨床所見
歯科治療の多くは審美が関わってきます。歯の色を合わせたければ自費治療、前歯はセラミックが良いので色を合わせるのならどうですか、というような内容はよく聞かれる言葉だと思います。しかし、審美プラス機能面でもセラミック、ジルコニアと呼ばれる材料は優秀であると思います。下にジルコニア臨床例を供覧させていただきます。本院ではブラッシングを行うときに染め出しを行いプラーク・バイオフィルム(汚れ)を可視化します。その際に得られたデータですが濃いピンク色がプラークです。
どれがジルコニアかお分かりでしょうか。そうです。ジルコニアが天然歯より汚れが確かに付着しにくいことがわかります。このように機能面でも口腔環境には良いと考えられます。
3、ブラッシング
ただプラークが付着しにくいからと言ってブラッシングをしなくても良いわけではありません。保険でも自費治療でもブラッシングで機械的にプラークを落とすことが口の健康を維持する一番の方法だと思います。保険の素材でもブラッシング、歯石除去がしっかりなされればブラッシングしないセラミックより虫歯にも歯周病にもなりにくく長持ちします。
保険治療は税金の様なものですべての方は毎月一定金額を払ってそれをもとに各患者様が負担割合によって負担していただき医院は治療費をいただいています。皆様の協力により成り立っています。どの材料を使ってもブラッシングをして長持ちさせましょう。虫歯になったら詰めれば治るから大丈夫ではなく、虫歯にならないように、歯周病にならない様にブラッシングして今ある歯を大切にしましょう。皆様は がんになったら手術すれば治るので大丈夫だとは思わないでしょう。がん細胞が転移していれば再発します。それと同じで、詰め物の間から細菌が侵入して再度虫歯になる、詰め物が取れる可能性もあります。
材料ではなくどれだけ細菌の侵入を防ぐか、減少させるかが口の健康にとって重要になります。本院では詰め物をセットした前も後にもブラッシング指導を行なっているのはそのような理由となります。虫歯も歯周病も口の中の慢性感染症です。COVID-19、新型コロナウイルス感染症もウイルスに暴露されなければ罹患しないのと同じで細菌が少なければ虫歯、歯周病に罹患する確率は低くなります。