親知らずどうする?
- 2024年3月14日
- 歯科治療
親知らずは8番目の歯です。下の図参照ください。
8番目の歯はどのように管理すれば良いのでしょうか。
患者樣から親知らず(第三大臼歯)を抜歯したほうが良いかという話を伺います。
抜歯の基準、どのように評価してどうだったら抜歯するのでしょうか。
基本、人間の体で不必要なものはないものとして考えます。親知らずも必要だから生えてくるはずですが、なぜとってしまうのか。症例は限られますが、親知らずを他の部位に移植することも今は可能ですので(成功率は状態により様々です)抜去するそれなりの理由があるはずです。
歯科医師によっても抜歯基準は様々ですが、一応列挙すると
1, 虫歯が深く根の近くまで進行している。根の状態が弱くなって芯棒を立てることができない。また保存すると虫歯により痛みや腫れが出てくる場合。
2,虫歯でないが歯周病でグラグラになり食べるときにも動揺して痛い。入れ歯の支えにすると痛くてさらに動揺する。歯周病の治療で残すことが困難。
3,動揺、虫歯を取りきったとしても根の中の感染がある場合や破折(通常一部分歯が動揺します)して感染し腫脹、排膿が続く時。
4,全身的に感染に留意しなければいけない病気など(ステロイド使用、糖尿病、臓器移植前、免疫抑制剤使用、心臓病など)に罹患している方で、あらかじめ親知らずは感染するものとして考え抜歯する場合。
5,どうしても親知らずの衛生状態が悪く抜歯したほうが口の中の環境を良好に保てる場合。噛み合わせに参加していない場合。
6,横に倒れており存在すると前の歯や周りの歯を虫歯にするリスクが高い場合。
7,歯並びに影響を与える場合。矯正などで後ろにスペースを作りたい場合。
一応口の環境が悪くならなければ、あるいは悪くならないようにブラッシング・管理をできれば抜歯しなくて経過観察でも良いとなります。虫歯になったりするとタービンなどの切削器具は入りにくいので抜歯選択となります。
下顎8番(親知らず)抜歯はリスクがあります。
下歯槽神経神経と動脈が近くにある場合が多く、抜歯時に損傷すると顎の神経麻痺や出血の合併症を伴うことがある。
骨を削除すると術後腫れたり、開口障害が起こったりする。
抜歯にはそれなりに時間がかかります。
このような合併症が起こる可能性を理解していただくことも必要になります。
口の中全体でのバランスが重要になると思います。