歯周病の症状
健康な歯周組織
- ブラッシングでは出血しない
- 薄いピンク色の歯肉
- 歯と歯肉の間の歯周ポケットが3mmまで
- 歯肉が退縮していても引き締まっている(退縮自体は歯周炎ではありません)
歯周炎(軽度)
歯茎に炎症が起き、歯肉が引き締まっていないために歯周ポケットが深くなります。
- ブラッシングで出血することがある
- ピンクでなくやや赤色の歯肉(炎症の所見)
- 歯と歯肉の間の歯周ポケットが4mm以上ある
- 歯周ポケットの検査で出血する
- 腫れた歯と歯肉との間に歯垢、歯石が認められる
歯周炎(中等度)
炎症が進んで、細菌が骨にまで達します。歯を支えている骨が吸収するので歯周ポケットが深くなり、歯はグラグラして動揺する場合があります。
- 歯肉が全体的に腫れている
- ブラッシングで出血する
- 歯と歯肉の間の歯周ポケットが4mm以上ある
- 歯周ポケットの検査で出血する
- 歯がグラグラと動く
- 骨の吸収がレントゲンでわかる
歯周炎(重度)
歯の根の長さに対して半分以上骨が吸収しています。歯周ポケットが深くなり、支える骨が吸収し歯はグラグラになります。支える骨がなくなり歯肉にくっついているだけになると、ブラッシング時や入れ歯をいれるときに力がかかり時には歯が抜け落ち誤嚥のリスクになります。
- 赤紫色の歯肉
- ブラッシングで出血や膿がでる
- 歯と歯肉の間の歯周ポケットが4mm以上ある
- 歯周ポケットの検査で出血する
- 歯がいろんな方向にグラグラと動く
歯周病と薬剤性顎骨壊死の違い
薬剤性顎骨壊死(骨を強くする薬などによる合併症で顎の骨が口の中に露出し感染する)とは
- 骨を溶かす細胞(破骨細胞)が活性化せず顎骨がうまく吸収されず再生しにくい、リモデリングが起こらない。
- 顎骨への放射線照射歴がない。
- 骨病変が顎骨へのがん転移でない。
- 骨修飾薬などの投与の既往があり、8週間以上の骨露出と骨壊死などの症状が認められる。
などの特徴が挙げられます。初期の症状が歯周炎と類似しますので、顎骨壊死のリスクのある薬をご使用中の患者様の歯周炎は注意して経過観察する必要があります。継続的な口の衛生管理が重要になります。