有病者歯科・障がい者(児)歯科・訪問歯科|くぼた歯科クリニック|三鷹市にある歯医者

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有病者・障がい者(児)歯科治療

有病者歯科・障がい者(児)歯科・訪問歯科|くぼた歯科クリニック|三鷹市にある歯医者

有病者歯科とは

有病者歯科とは

年齢を重ねると、病気にかかることは避けられません。今、日本では65歳以上のかたが29.1%となり、超高齢社会になっています。また、2018年の厚生労働省の統計では70歳以上の男性で75.7%、女性で74.1%が高血圧症にかかっています。口以外にも病気を持たれている方が歯科医院に多く来院されることになります。疾患をお持ちの方、小児、高齢の方は、一般の方よりも歯科治療は体に負担をかけることになります。また、そうした全身の病気が背景にあると、歯科治療中に思わぬトラブルが生じることもあるため、特別な配慮(スペシャルケア)が必要となります。当院は、そのような疾患がある患者様が治療に専念できるよう取り組みを行い、生活の質(QOL: Quality of Life)と全身状態が向上することを願いながら口の治療を行っています。『人生最期までおいしく食べることを支える』を目標にしています。

病気と歯科治療

がんの治療中で血液の状態が不安定である、骨を強くする薬を使っている、心臓が悪くて歯科治療が怖い、糖尿病やステロイドにより感染しやすい、治療中に血圧が上昇する、血が止まりにくい、局所麻酔で心臓がどきどきする、反射が起きて血圧が低下し意識が遠のくなど、いろいろな患者様がいらっしゃいます。全身疾患と内服中の薬を把握し医科の先生と情報の交換を行い、治療計画を立てていきます。状況や全身状態によっては、大学病院や近隣の総合病院をご紹介させていただくこともありますが、少しでもお悩みを解決するお手伝いをしています。

がんの患者様

がんの薬物療法は、QOLを維持するために入院ではなく、外来通院での治療が多くなります。薬物療法中には、合併症が起きることが知られています。血小板や白血球という血液の成分が減少すると出血や感染を起こしやすくなるため、口内炎、歯肉からの出血などが起こったり、治療した歯が再度痛くなったり腫れたりする場合があります。状態により抜歯できない場合もあります。がん治療中は特に口の衛生管理が重要になってきます。日頃からどのような病気になっても、口の状態がその病気の治療を妨げない良好な状態にしておくことが、いろいろな治療をスムーズに進行させることになり、口から物を食べ続けることの支えになります。

頭頸部がん(舌がん、歯肉がん、上・中・下咽頭がん、上顎洞がん、耳下腺腫瘍など)で放射線が一定以上(およそ55Gy)顎にあたっている場合には、歯科治療が制限されます。抜歯やインプラントは顎の骨に侵襲(刺激)を加えることになり、放射線治療後に抜歯を施行してしまうと骨髄炎を発症し、痛みと炎症によりQOLが低下します。放射線療法の前にはお口の状態のチェックを行い、継続的な管理が必要になってきます。また、放射線療法施行後に抜歯は基本行わない、どうしても抜歯が必要な場合には顎に当たった放射線照射量を必ず確認して、抜歯後に骨髄炎などを起こす可能性を検討することが必要です。

心臓弁膜症(弁置換術後)、先天性心疾患の患者様

心臓弁膜症や先天性心疾患では、

  • 弁の動きが良好でなく逆流がある
  • 人工物(機械弁、生体弁)を心臓に入れている
  • 心臓の部屋の仕切りに穴があり動脈・静脈の血液が混ざる

などの状態になっています。歯科治療のなかでも歯石除去(クリーニング)や抜歯時には出血するため、微細な血管を通して菌血症(口の中の細菌が血流にのって全身に巡る)を起こしています。細菌が血流にのって心臓に到達し、流れが悪くなっているところ(特に弁)に付着してとどまってしまうと、感染性心内膜炎という重篤な病気になってしまいます。感染性心内膜炎予防のためには、細菌が血流にのる前に、特定の薬(抗菌薬)を効かせる必要があります。当院では感染性心内膜炎の予防に留意し、医科の先生と連携を行います。心臓のご病気のある患者様にはまず心臓の状態を把握してから歯科処置を行うようにいたします。そのため、当院では初診当日には口の診査と画像診断、医科への情報提供書作成等を行います。

心臓弁膜症(弁置換術後)、先天性心疾患の患者様

障がい者(児)歯科とは

心や身体に障害や重い病気があるために、歯科診療を行う上で特別な配慮(スペシャルケア)が必要な方々に対して歯科治療を行います。当院では予防歯科への取り組みを基本として、口を定期的に管理し、個々の方々に適した治療方法で口の健康を維持しています。
障害のある方の口の衛生管理を行うことは、慎重かつ丁寧な診査と診断、経験に基づいた対応が必要です。同じ障害のある方でも、障害の程度によって、歯科治療は変わってきます。

  • 説明しながらの治療に納得、順応できるか
  • 抑制での体動コントロールができるか
  • 笑気吸入鎮静法で体動、緊張、恐怖心がコントロールできるか
  • 静脈内鎮静法で体動、緊張、恐怖心がコントロールできるか

を判断させていただきます。患者様の状態や状況にもよりますが、当院では全身麻酔下での歯科治療は実施しておりませんので、深い静脈内鎮静法や全身麻酔が必要な場合には大学病院や専門の施設へご紹介させていただく場合もあります。

定期検診(予防が重要)

障がい者(児)の患者様の口の管理も基本的には予防中心になります。定期検診によりお口を管理し、できるだけむし歯・歯周病にならないようにすることが重要になります。ブラッシングが十分できない場合などは相談により間隔を短くしてお口の管理を行います。
障がい者(児)の患者様は深いむし歯などがあると、訴えはなくとも痛みにより食事を摂取しなくなり、体調を崩す場合があります。治療は迅速に恐怖心を与えず、痛みをとり最小限の処置で満足して食事ができるようになることが目的となります。抜歯になり歯と歯に空間ができた場合、治療が困難であれば入れ歯、ブリッジなどの詰め物は使用せずそのままにして継続的に管理させていただくことも一つの方法となります。歯科治療の全身への負担と口の機能を考慮し治療を行ってまいります。

疾患のある患者様へ

必ずお薬手帳をお持ちください。
医科の先生から処方された血糖降下の作用のある薬は指示されたとおりに日頃から内服、注射を行ってください。歯科治療の際にも自己判断で中止しないようにお願いいたします。血液さらさらの作用のある薬(抗血小板薬、抗凝固薬)も外来歯科処置においては基本的には継続下で行うことになっております(口のがんなどで入院して行う長時間の手術は異なります)。

  • てんかんの薬は特に指示どおりに内服を継続してください。発作を抑制するために医科の先生が血液中の濃度をコントロールしています。
  • 糖尿病の患者様で体の状態が低血糖発作や高血糖を疑われる場合には血糖値を測定し、医科への情報提供、診察をお願いする場合があります。
  • 抗凝固薬のワーファリンは食事や薬によって作用が比較的短期的に変動します。必要があれば採血によりワーファリンの効き具合(PT-INR)をチェックします。

糖尿病の患者様へ

インシュリンなど血糖降下作用のある薬を使用する場合には医科の先生から指示された通りに食事の摂取をしてください。自己判断で朝食をとらない場合などは低血糖発作を起こす場合があります。

透析中の患者様へ

透析を行った次の日にご予約ください。透析当日直後は血液の状態は良好ですが、血液さらさらの状態が残っており疲労もたまっていますので、歯科治療に耐えることができない場合があります。

訪問歯科

脳梗塞、心臓の機能低下、骨粗鬆症、がん骨病変、認知症、パーキンソン病などによる移動が困難で医院まで来られない患者様を訪問治療します。口の中の衛生状態を良好に保ち、誤嚥性肺炎等を予防するためにもクリーニングは重要です。ご家族の方にも歯磨きの補助などお手伝いをお願いします。また、入れ歯の作成、調整や、簡単な歯科治療なども行います。