局所麻酔3
局所麻酔薬について
エピネフリン(アドレナリン)含有リドカインはそれぞれどれくらいの量含有されているのでしょうか。バイタルサインに影響はあるのでしょうか。
一般的に歯科ではカートリッジで購入してそのまま局所麻酔のシリンジに入れて使用します。そのため専用のカートリッジ入りで購入します。その中にエピネフリン(アドレナリン)とリドカインが含まれています。普通は1.8mlカートリッジを購入しています(なぜかわからないのですが1.8mlが一般的です)。
成分表では多少の違いはあるかもしれませんが、2%リドカインと1/80000のエピネフリン(アドレナリン)が含有されています。実際の量を計算してみましょう。
1000mg(ほぼ1mlで比重が水と同じと考えている)/100×2=20mg(これが1ml中のリドカイン、局所麻酔薬の量です)
血管収縮薬エピネフリン(アドレナリン)の量は8万分の1含有なので
1000mg(1ml)/80000=0.0125mg=12.5μg(ごく微量だと感じてしまいますがどうでしょう。薬の極量は感覚の問題ではないので要注意です。)
救急蘇生の心停止時に使用するのが大人で1mg(1000μg)であり、局所麻酔での使用はその5分の1、おおよそ200μg以下にするべきですが200μgでも多いはずです。
200μg/12.5μg=16mlまで使用できますとなります。カートリッジが1.8mlなので
16ml/1.8ml=8.888、つまり8本以下になります。基本的に8本分の局所麻酔を実施することはほとんどありませんが、心臓の状態が良くない方にエピネフリン(アドレナリン)を多く投与すると心臓の収縮力を促進して負荷がかかってしまい心臓の動きが変化したり停止したりします。
そのため心臓悪い人にはエピネフリン(アドレナリン)の使用はできるだけ控えた方が良いとなります。
問題
局所麻酔薬にエピネフリン(アドレナリン)が含有されている理由はどれか。2つ選べ。
a. 血管拡張
b. 止血作用
c. 局所麻酔の局所の貯留
d. 局所麻酔の拡散
経験すると良くわかりますが、エピネフリン(アドレナリン)含有とそうでないのではリドカインの効き(奏功)がかなり違います。痛いと歯科治療は何もできませんのでエピネフリン(アドレナリン)の偉大さがわかります。局所麻酔薬あっての歯科治療です。
答え、 b,c
一方、メピバカインですが麻酔薬自体に血管収縮作用がありますのでエピネフリン(アドレナリン)での成分になっています。
医科や手術室などではエピネフリン(アドレナリン)は症例によって10-30万分の1の含有量で使用されていると思います。症例によって適宜調整することになりますが、歯科用カートリッジのエピネフリン(アドレナリン)含有量は多い方になります。