アレルギーと歯科治療|くぼた歯科クリニック|三鷹市にある歯医者

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アレルギーと歯科治療|くぼた歯科クリニック|三鷹市にある歯医者

アレルギーと歯科治療

 

アレルギーと歯科治療について

 

 

局所麻酔薬や歯科用金属に対するアレルギーはパッチテストと呼ばれる検査をして陽性になれば確定診断となります。採血をして血液の中の細胞が局所麻酔薬や歯科用金属に反応するか判定するDLSTというアレルギー診断の方法もありますが、パッチテストの方が実際の生体にアレルゲンの物質を貼付するので診断は正確と言われています。しかしパッチテストで実際にアナフィラキシーショックを起こしてしまうと危険なため適切な管理・入院にて通常検査は行われることが多いと思います。

アナフィラキシーショックはアレルギー反応の中でも生死に影響し、特にカニ、エビなどの甲殻類や血小板に対するものが多いと報告されています。

 

 

 

アナフィラキシーショックのバイタルサインは

血圧が極端に低下する(50/20mmHgなど測定できないぐらい)

血圧が低下すると共に血流を確保しようとするため頻脈になる(150bpぐらい)

気道が閉塞し呼吸困難になる(そのままだとSpO2は低下します。場合によっては気道に管を入れる挿管が必要になります)

 

 

 

アナフィラキシーショックのバイタルサインの一例

意識なし

血圧   60/30 mmHg、測定できず

脈     150 bpm

SpO2   80 %

 

 

 

このような症状に対してはエピネフリン(アドレナリン)を投与します。医療従事者以外の方がエピネフリン(アドレナリン)を投与するときはエピペンと言うものがあり、アナフィラキシーショックを起こしたことのある方には医師が処方しその方が携帯している場合もあります。ショックを起こした場合にはエピペンを投与する、医療従事者は救急蘇生等に準じた処置を行う必要があります(日本アレルギー学会、アナフィラキシーガイドライン(医療従事者))。

 

 

局所麻酔薬や歯科用金属で上述のようなバイタルサインが認められなければアナフィラキシーショックではないのですが、遅延型やその他のタイプのアレルギーでは下痢をする、接触部位に発赤が見られる、頸部や肘の内側が痒くなる、などの症状が認められます。

 

 

 

局所麻酔薬使用時に気分不快や心臓がドキドキする訴えは時々あります。これら症状はアレルギーである場合と他の反応であることがありますので注意が必要です。局所麻酔時の痛みによる交感神経刺激、その逆の迷走神経反射、など可能性がいくつかあります。先にも述べましたがアナフィラキシーショックに関係しエピペンを携帯している方には特に歯科治療初診時に今まで何に対して反応が出てきたか把握する必要があります。歯科ではいろんな薬剤を使用する小手術の連続ですので、歯石除去の処置でも研磨剤、フッ素など2−3種類の薬剤を使っています。どの薬剤に反応するか、分子で似たものがあるか、分子量が大きいものがありそうかなど、検討をつけておくことも歯科医療従事者と患者様との間での医療面接の上で重要な情報提供となります。一方で今までアレルギー反応がなかったからといってその物質に反応しないとは限らないのでこの点も複雑になります(アレルゲンが経年的に変化する場合があります)。

 

 

 

アレルギー反応、アナフィラキシーの場合にはアレルゲンに暴露されているかが原因ですのでアレルゲンの暴露をしないことが予防になります。ショックを起こしてしまうと反応が早いので生死に関わってきます。