口の管理の重要性2
口の管理と人生、口腔管理の重要性2
2人に1人はがんに罹患します。
年月を重ねると細胞もうまく働かなくなります。細胞の設計図であるDNAが壊れてうまく働かなくなるとがんになる場合があります。これはどうしようもないことでそれが早いか、遅いかだけの違いで一生のうちにがんになるかならないかだけのような気もします。
もちろん体あっての口ですので、がんなど重度な病気になっても体全体の状態がある程度保たれた上で口の機能をどうするかという問題になってきます。ただ、がんになる・ならないにかかわらず、生まれてから人生最期まで口の治療やメンテナンスはまずご自身の口の状態を把握すること、そしてどのような状態であれば満足できるかによると思います。歯が1本もなく、入れ歯がなくても柔らかいものを粘膜ですりつぶして飲み込めればそれで良いという方や、審美優先で詰め物は全て綺麗にして詰め直して笑った時に金属が見えないようにしたい、全てインプラントでという方もいます。人生最期の時に笑顔を作るために噛めなくても良いので入れ歯を作りたいという方もいます。どのように治療やメンテナンスを行なうかは自身の口の状態を把握して、歯科的な知識を共有しながら、患者様自身が決定して努力していくことが必要です。ただ、子供、障がい者(児)の場合には治療方針の決定の意思をどうするのかは大きな問題となります。
どんなに素晴らしい歯科治療をしたとしても歯は元通りにはなりません。削ったり抜いたりしたら2度と生えてこないため、人工物で代替するからです。また歯を削ればしみたり、歯髄炎を起こしたり合併症を起こすことがあります。歯根の治療をすれば根が破折したりします。治療をしないためには、とにかく虫歯や歯周病にならないようにフッ素を利用して歯そのものを強くして虫歯にならないようにすることか、歯やその周囲を磨く(細菌数を減少させる)しかありません。
定期的な歯石とりとブラッシングで80年歯、口が気持ちよく機能するのであれば金銭的にも時間的にもそれが一番効率的だと思います。そして口腔衛生が良好であれば、突然の病気になった時でもその治療が妨げられることが少なくなります。いろんなことが起こった時に、少しでも心配事や不安の要素に口がならないように管理できれば良いかなと思います。それはQOL(人生の質)にも関わってくる問題ですので、個人の考えが反映されます。