しょうがない
しょうがない
高齢社会日本
義歯と嚥下でつなげる高齢期の食支援 という演題で昭和大学の古屋純一教授の講演を拝聴しました。日本の高齢化の実態は深刻で高齢化率(65歳以上)29.0%で後期高齢者(75歳以上)の増加が著しくなると言われており、最後の約10年介護が必要になっているということです。そして歯科医院に行きたくても行けない人が多く存在するため、歯科治療のために訪問など何かの手立てをする必要が出てきます。歯科医療関係者もいろんな病気を持った方の歯科治療を行って行く必要があります。歯科の教育も口の治療をする、ではなく体全体の一部として口腔機能管理をしていかなければなりません。ライフステージにあった治療を提供することになります。
ピンピンコロリ?
50年生きてきて分かりましたが、最期まで健康の方がもちろん良いに決まっています。しかし、人間なので絶対にいろんなところに不具合が生じてしまいます。100年壊れない機械があるでしょうか?機械でも耐用年数は普通7-10年です。減価償却も7年です。7年経ったら代わりの部品さえ作ってくれません。人間75年生きたら不具合はいろんなところに出ますし、2人に1人はがんに罹患します。人生最期の約10年介護になる期間をできるだけ短くして、ピンピンコロリが理想と言われています。しかし、生まれて10年、死ぬ前10年ぐらい他人の世話になって、おんぶに抱っこしてもらい頑張らなくても良いと思ってしまいます。世話をしてもらってありがとう、といろんなことを受け入れるライフステージがあって、後の残りの40-50年ぐらい社会貢献すれば人間として十分なのではないのでしょうか。ただ世話をする人をどう確保すれば良いのか、負担をどうするのかというのが問題になってくるのでしょう。
歯科治療は治る?
歯科治療はよく虫歯を治す、などと言われて治るという言葉を使いますが本当は治っていません。虫歯の部位を削って他のもので詰めているだけなので人工物を入れているだけです。 また、歯が歯周病などでなくなってその部分を入れ歯、インプラントにしても治ったことにはなりません。人工物で置換しただけです。口の中は小さいのでよくわからないのですが、入れ歯や詰め物は義眼や義足と同じです。義眼で元の通り見えるようになるでしょうか。義足で元の通り走れるようになるでしょうか。入れ歯も同じで元のように噛めるようにはなりません。入れ歯で痛くなく小さい鶏肉ぐらい噛めるようになれば90点だと思います。
高齢社会の歯科治療ですが、人間は年齢を重ねると歯そのものが欠けたり割れたり、それを支える骨を失う傾向になります。この現象はしょうがないことです。全ての現象にはしょうがないことがあります。口腔機能低下症という診断名がありますが、口腔機能の低下など80歳、90歳なら当たり前に起こることで、しょうがないことだと思います。普通の認識で30歳と90歳が同じわけありません。口から物を食べたいのであれば失う速度を緩めること、そして口の中が体全体に悪さをしないようにすることが重要だと思います。入れ歯になりたくない という目標があるのであれば歯を残すように歯磨きをして口をメンテナンスするしかないと思います。そのためには小児の頃から口について維持するための教育を受けていく、適切な歯ブラシをして治療をするしかないと思います。
今の時代は情報だけは氾濫しているので正確な自分にあった情報を得るのが難しいと思います。情報を選ぶ能力を身につけることも重要なのではないでしょうか。例えば野球やゴルフでも自分の欠点にあった情報を見つけるのは非常に難しいと思います。youtubeを見てすぐに上手くなる人は稀なはずです。youtubeやネットでわかるならわざわざ歯科医院にきて歯ブラシする必要もありません。ゴルフスクールも必要ないでしょう。おそらく自分の感覚と見ただけでは全然違う、つまり経験しないとわからないのかもしれません。しかし、大筋ではどの動画も言っていることはほぼ同じで、微妙な発信の仕方、取り方が違うと思います。その微妙な違いが重要だと思います。