クリーニングは治療
- 2024年6月27日
- 歯周病
クリーニングは治療
慢性感染症をコントロール
ほったらかしでは無茶苦茶
よく医院で次回はクリーニングです、と簡単に言っていますが、クリーニングに含まれているものは、スケーリング(主に口に出ているところ歯の頭の歯石除去)、SRP(スケーリングルートプレーニング:歯の比較的深い粘膜の中やちかいところの歯石除去)、歯の表面の研磨(細菌がつきにくくする、着色をとる)などが含まれています。このクリーニングですが、治療でないと考えてしまいます。しかし、処置によっては出血や感染もします。クリーニングなので治療を行っていないというわけではなく、継続的に口の中の細菌をコントロールするための治療を行っています。歯ブラシの仕方も歯ブラシ自体は家でできることですが、細菌コントロールの一つの方法になります。
口の中の病気は虫歯も歯周病も簡単に言うと細菌による慢性感染症になります。適切な方法で歯磨きをして細菌数と付着をコントロールすれば虫歯、歯周病も重症にならなくなる可能性が高くなります。
口の中は良い詰め物を詰めて終わり、入れ歯を入れたら終わりではなく継続的な管理が必要になります。歯ブラシは自分でできる管理方法であり、検査と歯石除去などは歯科医院で行う専門的な管理になります。虫歯を治療して自費のどんなに良い詰め物を入れても口の管理ができていなければ結局また詰め物が取れたり、詰め物の辺縁から虫歯になったりすることになり、良好な口の状態を維持しにくくなります。
当院では口の管理、歯周治療が重要であると考えています。例えば、初診の主訴で歯が痛くなって虫歯が神経までいって神経を取るという処置を行ったとしても歯周治療は行って患者様自身で自分で口の管理をできるようにしてほしいと考えています。
例えば上のような主訴を持って神経の処置が必要な場合の
歯科治療はおおよそ以下のようになります。
1、神経の処置でまず痛み、腫れをとる。主訴の解決。
2、神経の処置が落ち着いたら神経の状態が安定するのを待つ間に歯科衛生士さんと共に歯周治療を行う。口全体の状態を向上させる。
3、神経と歯肉の状態や口の中が安定したら冠などを入れる。機能的にさらに回復へ。
4、全体をチェックして歯ブラシの出来具合や歯周病の状態により管理する間隔を決定して継続管理する。人生最期まで良い状態を維持する。
人間の口の中は細菌が増殖し、歯石が沈着する状態になりますので継続管理をする必要があります。また最低でも3−4ヶ月に歯周治療を行うことで経過も観察でき、小さな虫歯が発見されれば神経まで届く虫歯になる前に治療が可能で治療費も抑制できます。
健康を維持するためには専門家の意見を参考に自分自身にあった方法を考えながら継続管理することが必要だと思います。歯科医師は削ったり詰めたりもしますが、できるだけ良い状態に持っていく方法を提示してるようなものになります。
歯科医院はサポートであり、主役は患者様ご自身の口になります。
ほったらかしにしてしまうと無茶苦茶になっていくのは世の常ではないでしょうか。医院周囲の植栽ですが、雑草がこの時期生えてくるのでそれらを抜いてグランドカバーをうえてみました。雑草のコントロールはかなり大変です。去年は、ブタクサの独壇場になったので今年は早めに根こそぎ抜いて生えないようにしてコントロールしています。