デジタル化の波

型取り（印象）

歯科治療において、型取りは非常にストレスを与えると思います。長い時間口を開けて、型をとる材料（印象材）を口いっぱいに頬張り、動かないでじっとしているなど、基本的にやり慣れていないことを患者様には頑張ってもらわなければ、精密な型は取れないし、良い技工物ができません。また、動揺（グラグラ）の歯がある場合は型をとる材料を口から外すときにその歯が脱落する可能性もあります。脱落することで血液がサラサラになる薬を内服している患者様では血が止まらない、血液を誤嚥してしまうなどの合併症をもたらすこともあります。

口腔内スキャナー

現在では型取りも光学的（レーザーなどを用いて三次元的に構築する方法）に行えることができます。歯の本数や領域など症例によりますが、型取りの材料を口に入れなくてもできる場合があります。本院でもできるだけ早くこの口腔内スキャナーを導入し、型取りをデジタル化して患者様のストレスを軽減、型取りやその型を再現する石膏などの材料も減らし環境に配慮したいと考えています。

 

参考文献

Masanao Inokoshi, Yumika Soeda, Yo Akiyama, Kaori Ueda, Kazumasa Kubota, Shunsuke Minakuchi: Fully digital workflow for the fabrication of three dimensionally printed surgical splints for preventing postoperative bleeding: A case report: Journal of Environmental Research and Public Health, 2022