予防の重要性
- 2023年11月3日
- 歯科治療
1. 虫歯治療
2. 虫歯、歯周病治療をしても元の状態ではない
3. 予防で良い状態を維持する
1. 虫歯治療
基本的に一度虫歯、歯周病で骨を失うと元に戻すことはできない、その歯・骨の機能は元にならないと考えています。虫歯を削り、細菌の感染を除去してどんなに良い材料で詰め直しても元の自分の歯ではありません。歯は口の中にあり、代替材料に優れているから機能が保持されているように思えますが、そうではありません。例えば、義眼、義足、義手について考えてみましょう。義眼で外見は保たれていますが、元のように見ることができるでしょうか。義足で元のように走れるでしょうか。義足を入れればトレーニングが必要になりますし、すぐに使えるようにはなりません。どんなに頑張ってもある程度機能回復し歩けるようになれば、それで利用者の方は妥協するのではないのでしょうか。口の中も同じだと思います。
2. 虫歯、歯周病治療をしても元の状態ではない
歯についても噛み合わせが元のように完全に戻るわけでもなく、入れ歯で元のように噛めるわけでもありません。インプラントも骨に異物を埋め込むので強く噛めるようになりますが元の噛み合わせを完全に回復しているわけではありません。インプラントでは歯の周りの歯根膜という重要な組織はありませんし、その歯根膜は敏感で髪の毛を噛んでもわかるほど(50μmほど)の感覚を持っています。歯科医師は詰め物などが終わると治ったとつい言ってしまいますが、正確には治療がおおよそ終わりました。あとは合併症がないかどれくらい噛めるようになるか、痛みがある程度か経過を見ていきます、といった方が良いと思います。風邪のように治ることはなく、基本自分の歯を削って詰め物、入れ歯を入れて置き換えているだけになります。合併症予防が重要になります。