予防歯科|くぼた歯科クリニック|三鷹市にある歯医者

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予防歯科|くぼた歯科クリニック|三鷹市にある歯医者

予防歯科

みなさま今年一年本当にありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

今回は予防歯科ですが全身疾患のカテゴリーで書かせていただいております。

歯科も感染症との戦いを毎日行っています。

 

1、抗菌薬

2、外科処置

3、口腔衛生管理

 

1、抗菌薬

古くはペニシリンに代表される抗菌薬は感染の原因となっている細菌を殺したり、増殖を抑制する薬剤になります。細菌の感染に対抗する薬剤になりますのでウイルス(新型コロナ:covid-19、インフルエンザなど)、真菌には効果がありません。人類の歴史は感染症の歴史でもあり、手術の際にも感染を抑えていかないと術後に感染し手術がうまくいかない場合もあります。感染症をコントロールするために必要不可欠な薬が抗菌薬になります。(本当に医学の進歩には感謝するしかありません。)口の領域では、歯そのものが欠損する虫歯も、歯がグラグラになり動揺し歯肉から出血する歯周病も細菌感染によるものですが、日常的に抗菌薬を内服しても腎臓・肝臓にかなり負担をかけますし耐性菌も出現するので、効果はほとんどないと考えられています。抗菌薬は内服して血液の中に広がり血中濃度が高くなって効果を発揮します。しかし、薬の血中濃度が高くなっても歯の表面、歯の周りの骨などには血管を通して薬がアクセスしにくい状態になっています。

2、外科処置

口の領域においては外科処置(特に抜歯)の際に重度に感染しないように予防投与を行うことが多くなります。口の中に存在する細菌はある程度種類が決まっていると考え、投与することになります。実際どのような細菌が存在するかは口の中の細菌を培養する必要がありますが、歯科では原因菌の培養まで通常開業歯科医では行いません。抗菌薬が効き始めるのは内服後30-60分ぐらい後で薬の血中濃度が上がってからになるため、抜歯した後に内服すると効果を発揮するのはもちろん抜歯後になります。抜歯した時の菌血症を抑えたい場合には抜歯するときに抗菌薬の血中濃度が上がっている必要があります。ステロイド内服中や糖尿病など感染しやすい患者様の抜歯の場合に菌血症予防のために抜歯時から抗菌薬の血中濃度を上げたり、抗菌薬の血中濃度を確実に素早く上昇させるために点滴で投与する場合もあります。 

参考文献

高齢者歯科医療の臨床眼CASE11 糖尿病と腎機能低下に対する歯科での抗菌薬使用方法 デンタルダイヤモンド社(2021101日 発行)

3、口腔衛生管理

抗菌薬の届きにくい口の中ですが、虫歯や歯周病の細菌をどうすれば減少させ口の中の状態を良好に保つことができるのでしょうか。抗菌薬の原理は細菌を殺したり、増殖を抑制して数を減少させることになります。そのように考えるとプラークと歯石がたまらないように管理する口腔衛生管理、つまり適切にブラッシング、うがい薬で洗口し、適宜歯石を除去することが必要になります。また抜歯やその他の冠を被せる処置をする場合にも口腔衛生状態が不良であると感染を起こし、うまく治療が進まなくなります。歯科医院では機械的にプラーク、歯石を除去し処置を行なっていく必要があります。また、歯の根が腫れたなど症状が重度の場合には抗菌薬も使用し、細菌を減少させるために排膿させることがあります。予防歯科の一つの考えとして、感染症予防、菌血症予防を行うことであると考えています。

 口を綺麗にすること(細菌数を減少させること)は菌血症予防にもなると考えています。