口の病気は慢性感染症
- 2023年9月10日
- 全身疾患
1、口の中の細菌が血流を通して体全身に飛ばさないようにする:菌血症にならないように予防する
2、血流と菌血症予防の例
1、口の中の細菌が血流を通して体全身に飛ばさないようにする:菌血症にならないように予防する
歯ブラシ、歯石とり、抜歯などで出血すると、その出血部位の毛細血管を通して口の中の細菌は全身に飛んでいきます。血流に乗るので心臓にも達します。全身的な病気のない健康な大人の患者様であれば、そのように全身に飛んでいく細菌はご自身の免疫力で抑え込むことが可能で特に問題は起きません。しかし、免疫力の低下している患者様、特に小児、高齢者、免疫系(感染しやすい)、糖尿病(感染しやすいので歯周病のリスクになる)、血液の病気(出血、感染しやすい)、その他ある薬剤(ステロイド等)を内服中の患者様の場合にはその菌血症が大きく全身に影響を与える場合があります。また口は気管、気管支、肺と繋がっていますので清掃不良であれば口の細菌が肺炎を起こし呼吸器系の病気になるリスクが高くなります。
全身疾患がない患者様でも、口の中が腫れて膿が出ている、あるいはいつも歯周病で膿が出ているという状態が長引けば菌血症からさらに進行した敗血症に移行する場合もありますし、急性の場合には腫れて膿が溜まり痛みが激し口なる場合もあります。また、膿が喉や舌の近くに溜まることで気道(呼吸の状態)に関係することもあります。
2、血流と菌血症予防の例
感染性心内膜炎について
心臓の内腔に異常ある方で血液の流れが通常と異なる場合には循環自体はある程度保たれていても心臓の弁、内膜に細菌が付着し易く、感染性心内膜炎を起こしやすくなります。
心臓に血流の異常、逆流、弁の置換を行っている場合など
感染性心内膜炎は発症すると重篤な症状になる傾向がありますので予防できるのであればその努力は最大限にすべきだと考えています。普段からのご自身の口腔ケア、歯石除去、虫歯予防になります。