小さいむし歯
- 2024年2月12日
- 歯科治療
小さいむし歯
むし歯ですが、すでに大きくある程度(程度問題なのでかなり判断に差があります)歯髄(神経)に近いむし歯であれば削って感染しないようにして詰めるのがベターだ、というのは納得いく処置と思われます(図1)。またその歯がかなり痛んだりしみたりすれば治療が必要だと患者様も思うようになります。一方で、例えば探針(針のようなもの)でエナメル質に少し引っかかるむし歯があったとします(図1)。その場合には、1:削って詰める方法と、2:削らずにしっかりと磨いて細菌を減らして、むし歯が深くならないように経過観察する方法があると思います。エナメル質に限局していればおそらくしみることが少ないし症状もあまりないと思われます(図1)。1も2もどちらも口の中をコントロールして良好に保つ治療であることには変わりありません。1であれば削って詰めるので詰め物(人工物)と自分の歯の間からまたむし歯になるリスクはありますし、むし歯を検出する液体でむし歯がないか確認してもミクロの世界なのでほんの少し感染している歯質が残っていることもあります。2であれば1より経過期間を短くして観察する必要があります。どちらの方法を選択しても口腔衛生管理(ブラッシングや歯石とりなどを含める)を行うことが重要になります。口の中は細菌による慢性感染症であり常に管理するという考えが必要になってくると思います。
細菌感染を起こしても、患者様自身で細菌を除去し口の中の細菌数を減少させることが可能な場所は口のみになります。臓器(心臓や腎臓など)などは感染を起こせば必ずドクターによる手術、抗菌薬投与などが必要になります。もちろん、口の中も急性期の腫れた、痛い場合にはすぐに歯科医に相談する必要があります。
図1
口は外からアクセスが可能なので細菌も入りやすいのですが、一方で患者様の努力、歯ブラシによるブラッシングで細菌をコントロールできる可能性があるというのは歯科の特徴であると思います。