心電図からAEDの適応を見る
心電図からAEDの適応を見る
AEDは自動体外式除細動器と言われることはお話ししました。AEDは心電図を解析します。AEDのパッドをつけてしばらくすると、『心電図を解析します。離れてください』というはずです。AEDは細動を除く機械ですので、細動がある心臓を正常な心電図(山3つ、P,QRS,Tがある:図1)に戻すために電気ショックを与えることになります。山3つが出るようになれば心臓が正常に動き、左心室が収縮して血液を全身に循環させることができる可能性があります。
図1
心室細動という有名な心電図異常がありますが、これは心室が細動すると書くので細かく動きます。心室の波はQRSになりますのでQRSが色々な形で震えます。心室細動の心電図の形を想像してみてください。
心電図の形は図2になるように想像できると思います(波がものすごく低い場合もありますがここでは分かりやすい心室細動を示しています)。図2ではPやTは検出できるでしょうか。順番通りに並んでいるでしょうか。3つの山が順番通りに検出できないので心臓は正常に収縮できていません。そのため血液は流れず、脈もないことになります。
図2
救急蘇生とバイタルサインを思い出してください。
確認すること
- 意識→なければ血流が脳にない可能性
- 脈→なければ心臓が動いてない可能性
この段階でAEDを持ってきてもらいます。
意識なし、脈なしは心室細動を起こした可能性があります。心室細動の場合にはできるだけ早くAEDで電気ショックを与えることが正常心電図(図1)に戻る確率を高くすることになります。