心電図を覚えよう。
心電図の波は何を示すか?
専門分野ではないので心電図は循環器内科の先生に聞く方が良いのですが、私たち医療従事者が常識として理解すべきことはあります。歯科衛生士国家試験でも出題されますので、口でなくても生命活動に重要なことは理解しておきなさい、ということなのだと思います。
心電図は電気のベクトルです。ある一定の方向から見て電気がどの方向に通っているか、大きさ(電気の強さ)がどれくらいかを示しています。見る方向(検出する電極の位置)によって波の方向が変わります。
AEDの欄でも記載しましたが、心臓の電気の流れはなぜか右上の洞結節から左下の左心室方向に走ります。左下にある左心室から体全体に血液を送るので、左心室をしっかりと収縮させる必要があります。左心室の筋肉は他の筋肉より分厚いのでここの電流の波が大きいはず、左下の方向から心臓の電気の流れを見ると大きなプラスの波になりそう、と予想がつきます。
基本的には左下から電気の流れを見たII誘導の電気活動がメインになります。
山3つあることが重要です。形も、ゆるく小さい(P波)、鋭く高い(QRS波)、ゆるくやや大きい(T波)、の3つです。
電気が右上(右心房)から発生するので一番初めの山(P波)は心房の興奮を示します。心房は心室より筋肉が薄いので電気の大きさも小さく緩やかになります。次に鋭い山(QRS波)があります。これは心室の電気活動で大きな山になります。筋肉も厚く電気の力も大きくなり、高くなります。最後はT波でゆるく、再分極と言われ簡単に言うと次の電気活動の準備になります。
DH問題
心電図の波形を示す。
心房の興奮を示すのはどれか。
a. ①
b. ②
c. ③
d. ④