慢性感染症
- 2023年11月12日
- 独り言
慢性感染症
1、食べること
2、細菌培養器
3、口腔衛生管理は人生の質の管理の一部
1、食べること
食は人間の欲求であり、美味しいものを口から食べることは楽しみの一つだと思います。海外で生活していた時にうま味(美味しいということではなく感覚の方)を感じる食べ物が少なかったので、私にも日本人ぽい舌の感覚レセプターはあるのかもしれませんが、あまり味がわからないため家族に食事の作りがいがない、と言われますし、私が食事を作っても、美味しくない物を作るなと言われて食べて貰えないことがあります。私自身、食事は人に食べて貰えなければ意味がないし好みも人それぞれで残念な状況に陥っており、食事をすることに良いイメージがありません。私のことはどうでも良いのですが、人間にとって食事が重要であることは疑う余地はないと思います。日本国憲法25条にも書かれていますが、人間的な生活を営む権利の一つに関わることかもしれません(私は法律を勉強したわけではないので、法律解釈というか感覚的なもので書いています)。また、色々な理由で食べたいものが食べられない・噛みきれないなどあるとそれは大きなストレッサーになると思います。
2、細菌培養器
楽しむため、物を口から食べるためには口の中をそれなりに維持する必要があります。口の中は細菌の培養器と同じ環境で、37度・湿度が高い・栄養分が豊富にある、状態です。外界と直接繋がっており細菌・ウイルスの侵入経路になり、物を取り込む経路になっています。物を体に取り込む経路は口と鼻があり、食道と気道へとわかれていますが食道は栄養分を取り込む経路で、気道は酸素を取り込んで二酸化炭素を排出する経路になります。経路が近いので気道から肺に食物が混入すると誤嚥性肺炎を起こしてしまい肺の機能が低下します。食べ物と空気の交通整理をするのが喉頭蓋(図の1)と呼ばれるものでこの機能が筋力低下などで低下すると誤嚥を起こしやすくなり肺炎を起こしやすくなります。誤嚥性肺炎になると、細菌感染に対して抗菌薬を投与しますが、根本的には細菌や異物をきれいにして自然治癒力に任すことになります。ただ免疫力が低下している方が肺炎を起こすとなかなか治りません。そのため口の衛生管理は細菌の数を減少させ誤嚥性肺炎を予防するという目的もあります。
食べるという動作は、口へ物を入れる・咀嚼する・飲み込む、など色々な過程があり全てがバランスよく保たれていないと物を美味しく食べることができなくなります。
図の1 (1) 喉頭蓋
3、口腔衛生管理は人生の質の管理の一部?
歯科医師としての願いはできるだけ全身状態を良好に維持して、口から物を食べていただく。さらには話をしたり、人とコミュニュケーションをとったりするために必要な器官を最期まで維持して高めていける、そのような口づくりができればと思っています。
歯科医師として口の健康維持の大切さを理解していただき、日本国憲法25条にもあるように健康な文化的な生活の維持に関わっていければと思いますがいかがでしょうか。
参考文献:日本国憲法