機械出しは重要
診療補助、機械だし、滅菌は歯科でも重要。
正しい機械だしは重要です。また道具を大切にしないプロはプロではありません。
あの元大リーガーのイチローは自分のグローブは他人には手入れさせないという話を聞いたことがあります。道具をどうでも良いと思っているのなら、それは道具を使って行う治療や手術をそれほど重要に感じていないことになります。例えば靴も同じでどんな値段の靴であっても履いたら未来への一歩を踏み出していく道具です。道具は自分の手や足の一部になります。昔よく野球選手が三振したら怒りに任せてバットを投げつけて折る選手がいましたが、プロとしてみんなが一生懸命に作った道具、アオダモの木のことを考えたらできる行為ではありません。プロとしては失格だと思います。
ここからは歯科診療補助、器具の話です。歯科衛生士さんや経験のある歯科助手さんならわかるのですが、実習をしないと初めはユニットの扱いはよくわからないし、いろんな動きをするので怖いものです。でも歯科衛生士さんはその道具を使って仕事をするので慣れる必要があります。道具の扱いはとにかく丁寧に行いましょう。自分の将来を支えてくれるのもの、それが道具です。
今回はユニットをまず知ろう その次にバー、ポイントになります。
ユニットにあるのは、
左から、順に
1番目:エアー及び注水シリンジ、
2番目:タービン(高速で回る)とエアースケーラーの時に使用
3番目:コントラ(歯面研磨や象牙質う蝕除去に使う)、
ストレート(口腔外での補綴物の調整研磨に基本使用、時々外科手術でコントラではなかなか届かない8番抜歯の骨削除や嚢胞摘出に使用)、
あとは5倍速コントラがつきます(これは切削や金属除去に使用するので歯科医師がメインで使用します)。通常のコントラよりも高速で非常に安定して切削できる器具で音も静かです。
4番目:超音波スケーラー
歯科衛生士さんが使用するのは1番目、3番目のコントラと4番目の超音波スケーラーでペースメーカが埋入されている患者さんの時には2番目にエアースケーラーを用意します。(ペースメーカの患者さんにはなぜエアースケーラー使用かは調べましょう。)
まずこの順番を覚えましょう。(実習すればすぐ覚えますけど)。このようなユニットの装置の先端につくのがバー、ポイント、超音波チップになります。
次にバーとポイントの違いを説明します。
バーは先端も含めて全て同じ素材です(写真参照)。
ポイントは先端が別の素材になります(写真参照)。
この中でポイントは赤丸で囲ったもので、先端の素材が違います。
先端の素材が粗いものは除去、平坦化、形成に使用、細かいものラバーぽいものはレジンや口腔内金属の研磨に使います。実際に手に取って触るとわかりやすですが。
2番目のタービン(タービンは基本、歯の形成や金属の切削、除去に歯科医師が使用します)、これには保持孔がないポイントがつきます。
タービンにつけるものは保持孔がありませんので、
青で囲ったものがタービンで使用します。
3番目につくコントラ、ストレート、5倍速コントラ
コントラに歯面研磨のブラシ、ラバーチップ、ラバーカップがつきます。PMTCに使います。あとは軟化象牙質除去のために使用するスチールバーや口腔内での研磨バー、ポイントがつきます。全て保持孔があります。(黄色で囲ったバー、ポイントの根本付近にスリットが入っています。)タービンと比較して低速で使用します。
ストレートは長くて曲がりがないのでストレートと言います。バー、ポイントも基本長いものがつきます。曲がりがないので口腔外での使用がメインになります。口腔外の作業なので義歯の調整研磨、技工、インレー、クラウン、ブリッジの調整研磨に使用します。長いバー、ポイントで保持孔はありません。
ヘッドが粗いものは義歯の粘膜面の調整、細かい茶色や水色は研磨になります。
5倍速コントラですがこれには2番目のタービンと同じポイントを使用します。
ここまで覚えればあとはバー、ポイントを見ればおおよそ予想がつきます。あとは形でどんな形が削りやすいかで判断します。ダイヤモンドがまぶしてあればエネメル質も含んだ硬いものを削ります。