法律と口腔保健
口腔保健に関わる法律
歯科衛生士さんの国家試験を見直すとこんな問題が出ていました。
国会の議決により制定されるのはどれか?
A,政令
B,省令
C,法律
D,条例
答えはC,法律になります。
国会議員はさまざまな法律を制定し、日本を支えていく仕事です。どんな人であっても日本に住んでいる場合は法律に従い、生活する義務があるということになります。まず次の世代により良い日本を引き継げるような法律を議論することが必要だと思います。特に少子高齢化は国力、労働力、社会保障の面から大きな問題となってくると思いますが、これといった解決策はなく、あと数百年後の世代には日本はどこかの国に吸収されるか、人口ピラミッドを見ると国として維持できているのかも不明です。私たちはこのような状態の国で生活していることになります。適当に調べると2100年には6300万人高齢化率40%と予測されています。子供が90歳になる2100年はまだ大丈夫そうですが、2500年には人口が9万人になるそうです。9万人では日本は今のシステムの状態では維持できません。
もしいたらですが孫、ひ孫たちがどのような日本に生きているのでしょうか?
歯科関係では2つメインの法律があります。
歯科口腔保健の推進に関する法律
- この法律は、口腔(くう)の健康が国民が健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たしているとともに、国民の日常生活における歯科疾患の予防に向けた取組が口腔の健康の保持に極めて有効であることに鑑み、歯科疾患の予防等による口腔の健康の保持(以下「歯科口腔保健」という。)の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、歯科口腔保健の推進に関する施策の基本となる事項を定めること等により、歯科口腔保健の推進に関する施策を総合的に推進し、もって国民保健の向上に寄与することを目的とする。
健康増進法
以下の4つの検診をすることがメイン。
- 歯周病疾患検診
- 骨粗しょう症検診
- 肝炎ウイルス検診
- がん検診
これらの法律に沿って口腔の健康を保持していくことになります。
健康増進法に歯周病と骨粗鬆症検診が列挙されています。骨粗しょう症に対する骨を強くする薬の副作用で、歯周病などに罹患していると薬剤性顎骨壊死になる可能性があります。この2つ疾患が関係してくるので骨粗しょう症の治療薬と口の顎骨壊死発症のリスクが合わさり問題が大きくなります。
歯科関係者はこのような法律のもと働いているのを再認識します。